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労務管理に必要な法定帳簿とは・・・TS人事労務オフィス



「法定」という言葉がついていることもあり、法律で定められた帳簿ということになります。どの法律で定められているのかと言えば、最も重要な法律である労働基準法になります。その法律にまで定められている帳簿とは・・・

 

① 労働者名簿

② 賃金台帳

③ 出勤簿

 

以上の3つになります。また別名法定三帳簿とも言われることがございます。それでは、その3つの帳簿を個別に見てみましょう。

 

目次

法定帳簿のひとつである労働者名簿とは・・・

労働者名簿とは、労働者の必要な情報をまとめたものです。事業場ごとに労働者名簿を、それぞれ労働者についてまとめて管理する必要があります。事業場の規模・法人・個人事業に関わらず、パート・アルバイト等雇用形態を問わず、全ての労働者について作成して管理する必要がございます(日々雇い入れられる者は除く)。

< 労働者名簿に記入しなければいけない事項 >
(1) 氏名
(2) 生年月日
(3) 履歴(入社前の職歴や最終学歴また、社内での配置転換等)
(4) 性別
(5) 住所
(6) 従事する業務の種類  ※ 常時30人未満の場合は記入不要
(7) 雇入の年月日
(8) 退職の年月日およびその事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む)
(9) 死亡の年月日およびその原因

記入すべき事項に変更・更新があった場合は、アップデートして常に労働者名簿を最新の状態にするように努めることが必要です。労働者名簿は、それぞれの項目が有益なものであるため、情報を整理するとあたらな一面が見えてくることもあります。
その労働者名簿をアップデートする際には、労働者の入退社や部署異動などが生じたときには、労働者名簿の手直しが発生します。

法定帳簿のひとつである賃金台帳とは・・・

使用者は、事業場ごとに賃金台帳を労働者それぞれについて調製し備え付けておくことになっています。事業場の規模・法人・個人事業に関わらず、パート・アルバイト等雇用形態を問わず、全ての労働者について作成して管理する必要がございます
 
< 賃金台帳に記入しなければいけない事項 >
(1) 氏名
(2) 性別
(3) 賃金計算期間
(4) 労働日数
(5) 労働時間数
(6) 時間外労働、休日労働、深夜労働の時間数
(7) 基本給、手当その他賃金の種類ごとにその額
(8) 賃金の一部を控除した場合には、その額

賃金台帳の記入については、賃金を支払う都度遅滞なく記入します。ということは毎月賃金計算を行うので、月に一度は台帳の更新作業が行われます。これは源泉徴収票とは別なものになるため、お間違えの無いようご注意ください。
労働者名簿同様、賃金台帳からも労働時間・時間外労働・有給休暇など有益な情報が集まることから、時間管理にうってつけの資料にもなります。近年時間外労働について厳しい管理が求められるので、その観点からもきちっとした労務管理が要求され、人事の重要な業務になります。

法定帳簿のひとつである出勤簿とは・・・

労働者の出勤状況を記録したものが出勤簿です。使用者が労働日、労働時間、時間外労働など出退勤の状況を確認したり、労働者がタイムカードで記録したりしたものを出勤簿として保管します。これは、上記の賃金台帳と深く関係しており、重要な書類のひとつとなっています。

労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(平成29年1月20日策定)
労働基準法においては、労働時間、休日、深夜業等について規定を設けていることから、使用者は、労働時間を適正に把握するなど労働時間を適切に管理する責務を有している。しかしながら、現状をみると、労働時間の把握に係る自己申告制(労働者が自己の労働時間を自主的に申告することにより労働時間を把握するもの。)の不適正な運用等に伴い、同法に違反する過重な長時間労働や割増賃金の未払いといった問題が生じているなど、使用者が労働時間を適切に管理していない状況もみられるところである。・・・

出勤簿の管理を疎かにすると・・・是正勧告?

労働基準監督署の監督指導(臨検調査)は、2018(平成30)年の1年間に170,192件実施しています。そのうち定期監督(主体的、計画的に実施する監督指導)等では、68.2%の事業場において労働基準関係法令違反が認められました。つまり是正勧告を受けたということです。

主な違反事項は、
① 時間外労働に関する届出を労働基準監督署に届け出ない、または届け出た上限時間を上回って時間外労働(残業)を行わせたもの
② 機械や設備などの安全基準を満たしていなかったもの
③ 時間外労働(残業)などに対して割増賃金を支払っていないもの(一部未払を含む)
などとなっています。

なお、これらの法違反のほとんどは、労働基準監督官の指導等によって是正されています。

出勤簿の管理を疎かにした結果、労働者から・・・是正勧告?

労働者は、労働基準関係法令違反がある場合には、労働基準監督官に行政指導を求めること(申告)ができます(労働基準法第104条等)。これを契機として、労働基準監督官が事業場に臨検するほか、事業主などに来署を求め、直接、事情を聴取するなどの方法により事実関係の確認を行い、その結果、法違反が認められた場合には、是正を図るよう監督指導を行います。
申告受理件数は、2018(平成30)年で24,788件にのぼり、その内訳は、賃金不払に関するものが最も多く、次に解雇に関するものとなっています。

2018(平成30)年の1年間に170,192件実施しています。そのうち申告監督(労働者からの申告により実施する監督指導)等では、68.0%の事業場において労働基準関係法令違反が認められました。

主な違反事項は、申告受理内容と同じで
① 賃金不払い
② 解雇
などとなっています。

法定帳簿のまとめ

このように法定帳簿は、労務管理をする上で重要な帳簿です。この法定帳簿からさまざまな情報が得られることから、経営に生かしていけるものになります。また労働基準監督署からの調査や行政機関への提出の際に法定帳簿を要求したりします。東京の社労士にご相談いただき労務管理体制の構築にも、業務の効率化にもつなげてみませんか。

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