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是正勧告とは・・・? 社労士が解説いたします



是正勧告は、労働基準監督署が企業への立ち入り調査の結果、法令違反があると認められた場合に行われる行政手続きです。

労働基準監督署の調査の結果、法令違反が確認されると是正勧告を受けます。そうすると是正勧告書が発行されて、記載された期限までに法令違反の事案を改善することが求められます。もし是正勧告を受けた事案内容を改善しなかった場合、司法処分を受けるリスクがあることを覚えておいてください。そのため速やかに改善して、期限までに労働基準監督署へ報告するのが賢明です。

目次

いつ・どういうきっかけで会社へ来るものなのでしょうか?

労働基準法、労働安全衛生法などの法律に基づき、定期的にあるいは働く人からの情報を契機として、事業場に立ち入るなどにより、機械・設備や帳簿などを検査して、関係労働者の労働条件について調査を行います。法違反が認められた場合には、事業主などに対しその是正を指導するほか、危険性の高い機械・設備などについては、その場で使用停止などを命ずる行政処分を行うこともあります。監督指導は、法違反等を是正していただくことが目的ですので、是正を確認すれば、監督指導は終了となります。

労働基準監督署の調査(専門用語では臨検(リンケン)といっています)が、いつ来るかはわかりません。ですが、訪問するときの連絡の仕方にいくつかパターンがあります。

① 調査日時・調査書類を指定した通知書が事前に郵送されてくる
② 労働基準監督官から電話連絡があり、調査日時を告げられる
③ 事前連絡がなくて、突然訪問してくる
などがございます。

そうすると今度は実際に調査が開始します。

労働基準監督署の調査=臨検調査とは?

労働基準監督署の調査=臨検ですが、入り口・きっかけが3パターンに分かれております。それぞれ理由がありますので確認しながら進みましょう。

● 臨検調査 ≪ 定期監督・申告監督・災害時監督(・再監督) ≫
労働基準監督官は、
(1) 定期監督 : 労働基準法などの法律に基づいて定期的に調査を実施
(2) 申告監督 : 労働者などからの申告・申出などを基に調査を実施
(3) 災害監督 : 労働災害事故が発生した場合に調査を実施
 ⇒ 事業場(工場や事務所など)に立ち入って、機械・設備や帳簿などの調査・聞き取りが実施されます。

(1) 定期監督(・再監督)
労働基準監督署の計画に基づいて、対象事業所が決定されます。その上で実施される調査が一般的な定期監督になります。事前に日程調整が行われた上で実施されるのが大半で、2018(H30)年の実績では、136,281件(80.1%)となっています。

前回の調査で法令違反があった場合で、「是正報告書」の未提出など重大・悪質のある場合には、「再監督」を行います。2018(H30)年の実績では、12,946件(7.6%)となっています。

(2) 申告監督
在籍中または退職した従業員やその家族、知人からの労働問題(いじめ・嫌がらせ・解雇・サービス残業・未払残業・名ばかり管理職・有休・〇〇ハラスメント・雇止め・派遣切り・内定取消等)による通報を受けて、その内容および真偽を確認したり、裏づけになる事実を調査していきます。この場合は、申告者保護のために申告監督であることを言わずに調査に来ます。そのため通常の定期監督か、それとも申告監督かは分かりません。もし最近従業員と揉めた、または退職した従業員と揉めていたなどの心当たりがあれば、通報による申告監督を疑ってみたほうがいいかもしれません。
2018(H30)年の実績では、20,965件(12.3%)となっています。

(3) 災害監督
大きな労働災害が発生した際に、その災害の実態調査のために行われる「災害時監督」があります。

臨検調査の結果・・・?

臨検調査時(定期監督、申告監督、災害時監督等)に法令違反が認められた場合には、「是正勧告書」が交付されます。会社では是正勧告書に対応した「是正報告書」の提出義務が生じます。また法令違反ではないものの、改善を図る必要があると認められたときには「指導票」が交付されることもあります。そして指摘事項を改善し「指導票に対する改善措置報告書」の提出義務が生じます。

また行政処分として、法令違反により労働災害を未然に防止するために事業場の設備等の使用禁止命令が出される場合もあります。その際「使用停止命令書」が交付されますので、違反が是正された場合にはその旨の報告義務も生じます。

労働基準監督官は、司法警察官の職務を行うことが出来るので、度重なる指導にもかわらず是正を行わない場合には 、重大・悪質な事案として、労働基準法などの違反事件として取調べ等の任意捜査や捜索・差押え、逮捕などの強制捜査、検察庁に送検がされることもあります。

● 労働基準監督署から交付される書面
‣ 是正勧告書    : 法令違反がある場合
                    ⇒ 是正報告書
‣ 指導票       : 法令違反はないが改善の必要がある場合
                    ⇒ 指導票に対する改善措置報告書
‣ 使用停止命令書 : 労働基準法、労働安全衛生法違反のため危険がある場合

是正勧告などを受けたときにはどう報告書を作成すれば・・・?

不本意かもしれませんが、法令違反や改善が必要な状態と判断されてしまい、『是正勧告』や『指導票』・『使用停止命令書』が交付されてしまった場合は、真摯に受け止めて、速やかに是正するように努めましょう。これらの指摘事項に対して、今後どう改善していくかなど具体的な対応を含めて労働基準監督官と話をして確認してする必要がございます。

指摘を受けた『是正勧告書』・『指導票』・『使用停止命令書』については、指定期日までにそれぞれの指摘事項を改善し、それぞれの報告書を労働基準監督署に提出する必要があります。

報告書を作成するにあたっては、
● 指摘事項について、どのように改善したのか、またはどのように改善するのかを、具体的に記入する
● 必要な場合には、改善した証拠資料や参考資料を添付する
● すべての指摘事項を是正した上で、労働基準監督署へ提出する
これらの内容を簡潔に記載するようにしましょう。

是正勧告のまとめ

労働基準監督署の調査(臨検)では、日常どのような労務管理体制をしているのかが問われています。もし調査結果が良くなければ、労働基準監督署の調査を受けてどう改善して、労務管理体制を構築していくかがポイントになります。今回の調査をいい機会と捉えて労務管理全体の底上げ・改善を目指すべきでしょう。ですが社内でできることは限られています、そんなときにはお気軽にサポート内容など社労士にお問い合わせください。

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